【種子島移住②】理想と現実(移住8年目。計画的な二段階移住のススメ)
種子島の移住前に抱いていた理想と実際の移住時に選択した現実は異なる。移住後でないと分からないことも多い。勢いで移住しても短期間で撤退することになる種子島移住失敗パターンも多いので、自分の経験としては計画的に二段階移住することをオススメしたい。
目次
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種子島移住の理想と現実
移住前に抱いていた理想
・職業;農家になって、自給自足または半自給自足な生活。
・住環境;自然豊かな人口密度の低い小さな農村集落。ざっくり言うとDASH村のイメージ。
大都市圏でサラリーマンしてて離島への移住を考えていた人にありがちな発想ではあると思うけど、学生のころから鉄腕ダッシュのDASH村が好きやったので自給自足に興味があった。種子島に移住する前は実家の庭で家庭菜園を楽しんでいた。
ちなみに当時読んでいた本は「南の島に住みたい」。種子島の事例として取り上げられていたのは当時、養鶏で生計を立てていた大山さん。
移住時に実際に選択した現実(二段階移住)
いきなり小さな農村集落に移住せずに二段階移住の1段階目に選んだのは下記の生活環境。
・職業;技術系サラリーマン(移住前も技術系サラリーマン)
・住環境;大きな商業施設が徒歩圏内で、転勤者等の移住者が多い新興住宅地を有する集落。
移住時の優先事項と取捨選択:変化を小さくすることで撤退リスクを抑える
優先事項;移住後に短期間で撤退してしまうリスクを抑えて計画的に移住生活を継続できること
職業と住環境について抱いていた理想を移住当初からゴリ押しで実現することよりも、まずは短期間で撤退してしまうリスクを抑えて移住することを優先する選択をした。
リスクを抑えるために、職業は移住前と同じくサラリーマン、住環境も田舎にはなったが周囲は移住者や転勤族が多い新興住宅地で商業施設が徒歩圏内。
いきなり農業にチャレンジするのを見送ったのは、十分な現金収入を得ることができずに短期で撤退するリスクを回避するため。
いきなり小さな農村集落に住まなかったのは、住環境の変化が大きい程に撤退リスクが高くなると思ったので、まずは変化を抑えて二段階移住した方がいいのではと思ったので。
もちろんいきなり飛び込みで職業も住環境も大きく変化したけど、移住に成功した人もいるとは思う。でも例えばふらっと移住したわけではなく、公務員として採用されて移住した人でも、1年程で撤退した人もいる。
せっかく種子島に移住するなら、短期間で撤退してしまうリスクを抑えるために二段階移住をおすすめしたい。
種子島への二段階移住の選択は正しかったか?(移住8年目)
種子島は移住しやすい島
移住8年目になったけど、やはり種子島は移住しやすい歴史と風土を持っていると思う。百年以上前から多くの移住者を受け入れてきた昔から移住者の多い島で、集団移住によって誕生した移住集落が多数現存し、現在本人が島生まれでも親や祖父の代で移住してきた人も相当数いる。昔から移住者が多いこともあって、移住者に対して非排他的な風土が長い年月をかけて根付いている島だと思う。
住環境は集落毎に千差万別
実際に移住してみると、集落数は島に100以上あり生活環境は集落毎に千差万別で移住前に十分知ることは困難。農村に存在する軒数1桁の危機的集落(限界集落の更に上)もあれば、市街地にあって人口1,000人以上で高齢化率30%未満で同じ集落でも知らない人がいるのは当たり前という集落もある。生活環境が大きく異なれば、集落の住民の全体的な価値観や考え方も大きく異なる。
移住者ではなく島で生まれた人でも自分の住みたい生活環境を求めて、生まれた集落を離れる人が多くいる。その結果、島内の大字地域から市街地に流入が続いている。
移住先の失敗パターンとしては、自分に合いそうな集落かどうか考えずに、例えば景色が気に入ったとか、家賃が安いとかで移住する集落を決めたけど、行事はとにかく出たくない価値観なのに、行事が活発で参加率の高い集落に移住すれば当然ミスマッチが起きる。
ざっくりグループ分けすると以下の通り。あくまでざっくりとしたイメージを掴む用で100以上ある個々の集落毎に異なる。
- ①大字農村地域の小規模集落:大字農村地域の小規模集落は、明治・大正時代の集団移住で生まれた集落が多く、世帯数が一桁の集落も数十集落存在する。雰囲気は全体主義傾向が強めで、集落行事は人口が減りすぎて困難なイメージ。
- ②大字農村地域の大規模集落:大字農村地域の人口100人以上の大規模集落。雰囲気は全体主義傾向が強めで、集落行事は参加率が高いイメージ。
- ③市街地の在来集落:明治時代以前から存在する市街地の集落。江戸時代に種子島家の家老屋敷が存在した集落もある。利便性が高く移住者や転勤族向けの賃貸物件も多い。雰囲気は個人主義傾向が強めで、集落行事は参加率が低いイメージ。
- ④市街地の新興集落:在来市街地の近くに最近造成された住宅地。大字農村地域からのマイホーム新築流入がメインで若い人が多い(平均年齢が低い)。移住者や転勤族向けの賃貸物件も多い。雰囲気は4つのグループの中で最も個人主義傾向が強めで、集落行事は参加率が低いイメージ。
移住のハードルの低さで行くと④>③>②>① ということで、ハードルの低い市街地の集落を二段階移住の1段階目として選択した。2段階目は大字農村地域の小規模集落(世帯数10程度)に数千坪の土地を購入済みで、移住2段階目の準備中。長い時間をかけて自宅をセルフビルドする予定。
種子島への二段階移住の選択は正しかったか?
職業と住環境について抱いていた理想を移住当初から実現することよりも、短期間で撤退してしまうリスクを抑えて二段階移住することを優先する選択をして正解だったと思う。
移住後もサラリーマンを続けて安定した生活を送りながら、島の生活習慣や行事など様々なことについて実際に経験し、市内に百程度ある集落の位置や特徴などを、実際に自転車で走り回りながら覚えて土地勘を得た。
島に集落は百以上ある中でどの集落でマイDASH村を始めるかを移住前に十分知って決めることは難しいので、二段階移住スタイルを選択してよかったと思う。
チャレンジするかどうか迷ったらチャレンジする
種子島に移住するチャレンジも迷ったけどチャレンジして良かった。知人で移住することに対して否定的な人もいた。
チャレンジするかどうか迷ったら現状維持を選択する人間ならば種子島に移住してない。
チャレンジは人生のスパイスやと思う。スパイスの効いてない人生は味気ない。
そして、いよいよ二段階移住の2段目である小さな農村集落に数千坪の用地取得が完了してマイDASH村計画が本格始動!
・転職でオシロスコープも実験室も無縁に
・後に旅で訪れる種子島に移住
・夢の #マイDASH村 始動
・食用に #バナナ露地栽培
・掘っ建て小屋のDIY開始
・初めて飼う動物はヤギ
・ #ヤギ用サイクルトレーラー で牽引人生楽しんだもん勝ち pic.twitter.com/UQSqOke0o1
— tossau @種子島 (@tossau) September 20, 2019
これからもチャレンジする気持ちを忘れずに生きて行きたい。